【17】まとめ「1」の論理は神仏の領域を示し、あの世的世界とこの世的世界を切り分ける役割を持っている。あの世的精神文化の「1」は民俗儀礼、芸術文化、スポーツ、日常生活など日本文化の隅々まで及んでいる。「1」の持つ精神性は、民俗儀礼における宗教性を高め、芸術文化の美意識を深め、また日常生活...
【16】 悟りとしての「1」ブッダの悟りとしての一回性についてである。 ブッダは35歳の時、インド東部のビハール州にあるブッダガヤの菩提樹のもとで禅定に入って悟りを開いた。仏典によれば、自分一人だけの唯一絶対の悟りを内面に秘めたままにしておくことを望んだ。梵天はブッタ一人の悟りに終わらせることが忍び難...
【15】 道としての「1」道として「一」は、老子の「道徳経』に、「道は一を生じ、一は二を生じ、二は三を生じ、三は万物を生じる。万物陰を負いて陽を抱き、沖気を以って和を為す」とある「道は一を生じ」の「一」である。 「一」は根源的意味の太極を意味する。陰陽未分の太極である一気から陰陽二気が生ずる。数の流...